…は?

「じ…自殺?」

「うん……。今…病院で治療してるみたい…なんだ…」

「う…嘘…でしょ?」

「ホントだよ…信じたくないけど…。でも、私は友達だからね!」

ミホ……。

「あ…ありがと…。」
どうしよう…

そのまま電話を切り、階段を降りてママの所へ走った。

ママは丁度電話でその事を聞かされていた。

「ママ…私…ッ」


───パァン!
頬にはしる激痛。

「アナタ…、もっとマシな振り方は出来なかったの!?」

「…ごめんなさぃ」

ママは県会議員だ。
だから名誉ばかりを気にかける。

「落ちるのは簡単なのよ…」

「…ごめんなさい!ごめんなさ…い!」

「この町にはいられないわね…。」

は…?

「パパも話してたわ。明日、この町を出ますからね!」

「そ…んな…」
何でそこまで!?

「誰のせいだと思っているのよ!面倒くさい子ね!」

「ごめんなさい!」

「部屋にいきなさい…」

「はい…ッ…」
パタンと部屋の扉が閉まる。

「ヒック…。うっ…」
震える手を抑えながら、携帯のボタンを押した。

「もしもしッ!?胡桃?」

「ミホ…私…転校する…」

「は!?何……それ……」

泣けなかった…。
いや、泣くことが出来なかった。

小悪魔女王の私が泣くことなんて許せない。
やっぱりまだキャラは崩せない。

「みんな呼んで集まらせるね!…だから胡桃は学校に来て!」

「ん…ごめん」

ママの目を盗み、家から飛び出した。