ジリリリリリ…

「っ…うっせー…」

目覚まし時計を止めて再びベッドに転がった。

ピンポ───ン!

え……ここでチャイム鳴る?普通。

「はい〜?…ッ///!」

「あ…。ごめん!!!寝てた?」

「え…っと…///」
胡桃……だよな!?
…懐かしい…眼鏡と三つ編みをほどいてメイクをした、カリスマ時代の胡桃。

「あ…。胡桃だよ?わかる?」

「…あ…あぁ…」

どうして…この格好で…?

「眼鏡…は?」

「…全部教えたくて…私のこと」

「全部…?」

「私の…中学時代のこと…」

「…ッ!!!」

「実は…!この姿……ッ!?」

俺は無意識の内に胡桃の口を手で塞いでいた。

「───…聞けない」

「ぇ…。彼方っ…?」

「俺にも……過去がある…」

「か…な…た…?」

「過去の出来事から逃げるために、あの学校に転校してきた…。」

「……ぅ…ん」

「俺は……お前に会いたくなくて、あの学校に来たんだ…。」

「───…え?」

空気が異様にピリピリした。
俺はコイツに1番言ってはいけない過去を話し始めた。