[胡桃side]
中学時代…
あの頃はいかにも青春って感じがして大好きだった。
なのに…
まさかあんなことが起こるなんて思わなかった…

卒業式が終わった時のことだった。
「え…?」
「だ…だから…菅原が好きなんだって…」
中学時代カリスマキャラとして有名だった私、菅原胡桃は名前も知らない奴に告白されていた。
「…ってか名前は?」
「あ…。僕は……」
名前を聞こうとしたらクラスメイトで、私の取り巻きであるミホと宗が近づいて来た。
「あ?お前何胡桃に近づいてんだよ!」
「ホントだよねー!胡桃が可哀想だから離れてよ。」
「ちょっと…ミホ!宗!」
「…す、すいません…。そ…、ですよね…。」
「あっ…、ねぇッ!」
「胡桃?どしたの?邪魔者がいなくなって良かったね」
…そうだよ。
私はカリスマなんだから。
変に恋したり、告白されて受かれてる場合じゃない。
「そうね…、お疲れ様。」
「アハハ!小悪魔女王・胡桃様デターッ(笑)!」
そうだよ…、小悪魔女王を演じなきゃ…。
期待に応えなきゃ…。
じゃなきゃ私は認められない!
そのまま笑いながら3人で帰った。
私の家の前に着くと2人は私を引き留めた。
「あのさぁ〜…、実は…俺ら付き合うことに…なった」
「は?…ッどういう…事?」
「そーゆぅことだよ♪?だからナンパとか無理になったんだよね〜!ごめんねっ!」
「そ……だよね!うんっ!わかってるよ!」
「そっか!じゃあまたメールするね〜!ばぁい♪」
「ばいばい!」
私は2人と別れ、家に入った。
部屋に入り外を眺める。
「彼氏…か…」
欲しい…けど…
<小悪魔女王系ギャル>
その名が汚れるのが怖い。
「はぁぁぁー…」
ベッドでゴロゴロと寝転んでいると携帯が鳴った。
〜♪♪
「ん…?だ…れ〜?」
ディスプレイの表示を見ると[ミホ]と表示されていた。
「はい?もしもーし?」
「胡桃…ッ!ヤバイんじゃないの!?」
「…は?何が…?」
ミホの言ってる意味がわからなかった。
「まさか、聞いてないの…?」
「だから…何を?」
「……今日胡桃が振った男子が…振られたからって、自殺したんだって…」