「最近また寒くなってきたなー」 「うん、そうだね」 吹き抜ける風が冷たい。 11月中旬は、秋というよりもう冬なんじゃないかなって、時々思う。 「人肌恋しい季節だなー」 「何それ」 「んー?」 にっこりわたしに向かって奏多が微笑んだ。 …何か言いたいことがある時の顔だ。 「なぁ、もうすぐ俺の誕生日じゃん?」 「うん」 「俺さ、欲しいものがあるんだけど」 「なに?あげるよ」 わたしが頷くと、ふふんと奏多は笑った。