気持ち良さそうに目を閉じていた奏多が、そっと目を開いた。 覗き込んでいたからか、より近くでまた目が合う。 …さっきと同じ空気。 触れた手のひらから、奏多の体温が伝わってくる。 「…っ」 頭を支えられて、奏多の顔が少しずつ近づいてくる。 …今度は大丈夫。 自分に言い聞かせ、そっと目を閉じた。