「じゃあまた、放課後。ゆりちゃんのクラスまで迎えに行くから、待っててね」 「うん、分かった」 登校してくる生徒で溢れかえる下駄箱で、自然と奏多の手が離れる。 この瞬間、何となく寂しくなるのはわたしだけだろうか。 「じゃーね!」 無邪気な笑顔で手を振る奏多。 少し控えめに微笑んで手を振り返し、教室へと向かった。