「私ら、今年で30歳じゃん。
20代のうちはさぁ

『将来なんてまだまだ考えたくないし』

とか思って、
目の前の事だけを見て過ごしてきたけど

今30を目前にして思うわけ…
このまま一人で生きていくのかなぁ?
とか…。」



「…友見。」



「常に20代前半の若い子たちに囲まれて
負けないように若ずくりして

でも
実際接客とかすると
男の気持ちは正直で…

私だとあからさまにガッカリされるんだよね。」


自嘲ぎみに笑った友見の顔
昔は無かったほうれい線がハッキリと浮かんだ


「それなりに誇りと誠意を持って仕事に取り組んだけど
秘書課は会社の花形…

やっぱり若くて可愛い子には負けちゃうよ。


だから
そろそろ本気で考えようかな~って思ったりするんだ。」




友見の話に私は何も言えなかった

だって
彼女の言う事は

彼女の気持ちは

痛いくらい私にもわかるから