その紙に書いてあったこと。
そこには、三つの項目があった。
1:悠くんの前でハンカチを落とす
2:小野寺くんの前で階段から落ちる
3:パンをくわえてぶつかってみる
もうね、全然笑えない
面白くもなんともないこの笑いのセンスのなさ
笑いがとれるとでも思ったんだろうか
まあひとつ突っ込んであげるとすれば
二つ目の選択肢が危険すぎるだろということ
まぁ、きっとこれは伊織が考えたんだろうけど。
「どう?やる?」
「やるわけないよね、うん」
「なーんーでー!!!せっかく二人で考えたってのにさー!!」
凛太朗は口を尖らせて文句を言っているけれど、
どう考えたってこの選択肢はおかしい。
「あのさ、こんなことやってうまくいくわけないじゃんか」
「ねえ葵。
やらないっていうなら、こっちにもそれなりの手段ってものがあるからね」
「はあ?」
作戦とやらを否定されたのが気に食わなかったのか
伊織は口をへの字に曲げる。
「やらないなら、
葵さんが悠くんと付き合いたいらしいんだけど、仲良くしてあげて
って言っちゃうからね、俺」
そして、とびっきりの笑顔で
凛太朗は言い放った。
凛太朗の顔は整っているから
少しだけかっこいいとか思っちゃったけど
言っていることは
最悪だ。