「あ…あなたっ…！」

(『また会えるかな…』
なんて思っていたけど、こんな風にいきなり再会して、しかも…)

「あなたが同居人!?」

優しく微笑みながら〝彼〟は頷く。

「ど…どうしてっ…。」

　彼は昼間と同じように白いシャツのポケットからメモとボールペンを出し、サラサラっとペンを滑らせた。

『望月さんから紹介を受けました。
家賃が安かった、というのも決め手です。』
「そりゃ家賃は格安だけど…生活は不自由かもしれない…と思うけど。」

　どう見ても上品そうな見た目の彼に、ここはそぐわない気がしてならない。家賃格安の代わりに、全ての電化製品は一つしかないし、パーソナルスペースはたった6畳しかない。
　それに全く知らない旭と、空という人間がすでに住んでる空間に新しく入っていくというのも彼は大丈夫なのだろうか？
　旭が思いを巡らせていると彼はメモを向けてきた。


「ん…？」
『雪城海理(ﾕｷｼﾛｶｲﾘ)といいます。今日からどうぞよろしくお願いします。』

　彼は小さく頭を下げた。