早く寝なければ。

そう思うのに、眠れない。

色々な考えが頭の中を巡って、邪魔をする。

どんなに頑張っても、やはり眠れなかった。



午前2時を過ぎた頃、無意識のうちに私は携帯に手を伸ばしていた。

プルル……プルル……プル…

「もしもし。亜美どうした?」

私は彼氏である優に電話をかけていた。

「……優?ごめん、こんな遅くに」

無意識に優に電話をかけていた自分に驚いた。

「いいよ、起きてたから。なんかあったのか?」

優しい声になんだか安心した。

少し前まで、あれほどまで不安だったのに。

「ただ眠れなくて。……今日ね、じいちゃんが死んだの」

祖父が亡くなったことを伝えた。

今日の出来事、そして自分の感じていた後悔も全部。

優は静かに私の話を聞いてくれた。




「そっか、大変だったな」

話を聞き終えた優は一言そう言った。

聞いてもらえただけで、なんだか私の心は穏やかになった。