「シオン!俺は前線で戦う。お前は援護を頼む!」
「了解!」
シオンは弓使い。近距離では戦えない。俺がガンガン行くしかないだろ!
「でやあぁっ!」
『ギャアァ…ッ』
『グルル…シャアーッ!』
『キシャーッ!』
「カオル、危ない!」
『グエア…ッ』
『キエェーッ!』
俺はレイピアで、シオンは弓矢で次々にフィーノスを倒していく。そして襲いかかってきた奴を、また倒す。
てか、このレイピアすげぇ!さっきより明らかに切れ味が違うぜ!武器屋のおっちゃん、すげぇ!
そんなこんなで、なんとか親玉フィーノスの元に辿り着いた。
「観念しろ!その女の子から離れやがれ!」
『キ…シヤアァ…』
日本語は通じねぇか。なら、剣で語るのみだ!
「はっ!」
ザシュッ!
「そこだ!」
グサッ!
『グアァーッ!』
よし、ナイスタイミングだ、シオン!もう一撃喰らわせて…。
『キエェァーッ!』
あ、ヤバい!こいつ絶対怒りで我を忘れてる。このままじゃ、女の子が狙われる!
「危ねぇ!」
「キャアッ!」
『シヤアァーッ!』
………………。
「あ…あ…嫌ぁぁぁぁーっ!」
いっ…てぇ…。ザックリいったなこりゃ。思いっきり右腕噛まれちまった。ま、女の子が無事だったから良かったけどな。悲鳴あげてるけど。
「たぁっ!」
『グギャア…ッ…』
よっし、なんとか倒した。
「カオルー!」
「あ、シオン!やっぱりお前すごいな!あんな距離から弓矢をばっちり当てるなんて…」
「そんなことより、腕!噛まれたとこがすごいことになってるよ!痛くないの!?」
「あ?あぁ…うおっ、めっちゃ血ぃ出てるな。いっってぇ…」
「だっ、大丈夫ですか!?」
例の女の子が言った。
「あー、大丈夫ではないかな。でも、君が心配するこたぁ無ぇから安心しな」
「でも、私をかばったからそんなことに…今すぐ私の家に来てください!治療しますから…」
「おーい若いの、大丈夫か?」
あ、武器屋のオッサンだ。
「大丈夫じゃねぇけど、生きてるぜ!武器を強化した代金、今払うから待って…痛っ!」
「あっ、また…」
「へーきへーき。君は気にすることないって。悪いのはフィーノスなんだからさ」
「あっ!?」
「どうした、おっちゃん?」
「そこの彼女…まさか、王女様じゃないか!?」
「え!?」
マジか。王女様!?