「俺はカオル。んで、こっちがシオンです」

「ふぇっ!?」

「『ふぇっ!?』って何だよ?お前がいなかったら、俺は今頃あの世逝きだったぜ?お前のおかげで助かったんだ。だからお前も名乗るべきだ」

「そ、そっか…ありがと」

「だーかーら、お礼を言うのは俺の方だって!」

「…ふふっ」

「ん?何笑ってんだよ、おっちゃん?」

「いえ、お二人は仲が良くて良いコンビだな、と思いまして」

「コンビ!?俺なんかとコンビって言ったら、そんなのシオンに失礼ですよ!」

「そ、そんなことない!」

「え?」

「僕、ホントは怖かったんだ。フィーノスに襲われた時。…でも、カオルは勇敢に立ち向かっていった。だから、僕も頑張れたんだ。よかったら、一緒に冒険…してくれないかな…?」

シオン…。

「もちろんだ!俺なんかでよかったら、コンビ組ませてくれよ!よろしくな、シオン!」

「うん!」

「二人とも、良かったですね。さぁ、レイドタウンに向けて出発しましょう!」

こうして、俺とシオンの冒険は始まった。

ようやく俺達は、冒険のスタートラインに立てたんだ。





「着きました。ここがレイドタウンです」

運転手のおっちゃんに言われるや否や、俺は外を見ようとして窓から身を乗り出した。

おおおおおお!!すげぇ!めっっちゃデカイ街だ!武器屋に防具屋、食い物屋に酒場に宿屋!まさにRPGゲームって感じの街だな!

「シオン、早く行こうぜ!」

「あ、待って、カオル!」

「あ、運転手のおっちゃん、ありがとな!」

「いえいえ、お気をつけて」

俺達は、馬車を降りてレイドタウンの街並みへと足を踏み入れた。まずどこに行こうか…?

「カオル、まずは武器屋に行ってみようよ!武器のことを教えてもらおう!」

おぉ、さすがシオン。判断が早い早い。

「そうだな。んじゃ、武器屋に行くとするか」

「うん!」

俺達は武器屋に向かった。武器屋には、優しそうだけどガッシリしたオッサンがいた。

「よう、若いの。何か用か?」

「あ、あああのっ、ぼぼぼ僕の武器のことなんですがっ」

「シオン、緊張しすぎ」

「ほう、そこの坊やはシオンっていうのか。いい弓を持ってるね。君も、そのレイピア、なかなかのものだぞ。よかったら、俺が鍛えてやろうかい?」