「さぁ、早速運転手に話を聞きに行こうぜ、シオン!」

俺達は、馬車の先頭に向かって歩き出した。

お、運転手が見えてきた。

「すいませーん」

「はい、何ですか?」

「俺達、気が付いたらこの馬車に乗ってたんで、なーんにも分かんないんですけど…」

「あぁ、私が説明しましょう。この馬車は、レイドタウンという場所に向かっているんです。レイドタウンは、大きな街ですがたびたびモンスターに襲われて困っているんです。そこで、モンスターの親玉を倒してくれる冒険者を募集しているんです。皆さんは、レイドタウンを守るために集まった冒険者、というわけなんです」

「おぉ…やったなシオン、ビンゴだ!やっとこの世界のことが分かったぜ!」

「そうだね、カオル!ありがとうございます、運転手さん!」

「いえいえ、お礼なんていいですよ。皆さんを無事にレイドタウンに連れて行くのが、私の役目ですから」

レイドタウン、かぁ。一体どんな場所なんだろうな。ま、レイドタウンに着くまでは、のんびり待つとするか。

「うわあぁっ!」

え、何なに?一体何が起こったんだ?てか誰の悲鳴だよ。

「うわあぁっ!」

今度は誰だよ?…って、シオンかよ!?

「どーしたシオン、何があったんだ?」

「カ、カオル…外見て、外!」

「外?…って、うおぉい!」

なんなのコレ。なんか、馬車の周りにモンスターが集まってきてんだけど。とか思ってるうちに、周り囲まれて馬車が止まっちゃったんだけど。どうしろっていうのコレ?

てか、それより、生でモンスター見るの初めてだ!恐竜みたいな姿に、俺の身長くらいの身長に、二本の足と、かき爪のついた二本の手、ウロコ、牙、クチバシ!リアルだ!すっっげぇリアルだ!

「なぁなぁ、シオン!俺初めて生でモンスター見た!カッコ良くない!?てか、どうすればいいのよコレ!?」

「カオル、気持ちは分かるけど落ち着いて」

怒られた。

「でもさ、これで落ち着けって言っても無理があるぜ。俺らモンスターに襲われてんだぞ?」

「確かにそうだね…とにかく、倒すなり何なりしないと…」

「倒すったってどうやって!?…あっ!そうだ!おい、運転手のおっちゃん!」

「は、はい!?」