「さ、ウォーウルフも倒したことだし、先に進もうぜ」
「うん。…」
「どうした?」
「いや、なんか…襲われといてなんだけど、死骸をこのまま放っておくのはかわいそうだなぁって思って…」
「ははっ、お前らしいな。しょうがねぇ…せめて埋めといてやるとするか」
「ありがとう、カオル!」
「いや、お前がお礼言うことないだろ」
という訳で、ウォーウルフの死骸を埋めることにした。
いやぁ、なかなか大変だな。10匹くらいいるから、かなりの重労働だ。
ふぅー…。
「やっと終わったな」
「うん」
お、シオンが手ぇ合わせてる。見習って俺も手を合わせた。
「じゃ、行くか」
「うん!」
俺達は森の中を進んでいった。途中途中で休みながら進んでいったら、あっという間に夕方になっちまった。
「今日はこの辺で野宿するか」
「そうだね。でも、寝ている間に襲われたらどうしよう…」
「あーアレだよアレ!火ぃおこしてたら大丈夫じゃね?」
「大丈夫じゃないと思う。モンスターの中には、火を怖がらない奴もいるかもしれないし…」
「じゃあ、どっちかが起きてて交代で見張るのはどうだ?」
「うん、それがいいね。そうしよう」
てな訳で、晩飯を食ってから、俺は見張りについた。シオンは約束通り先に寝ててくれた。
てか…。
眠い!
言い出しっぺは俺だけど、寝ないで見張るってめっちゃ眠い!
いや、駄目だ駄目だ。ちゃんと見張っとかねぇと…。
……………。
…………………。
………………………はっ!?
やっべ、寝ちまった!シオン!?シオンは無事か!?
良かった、無事だ。ぐっすり眠ってやがる。
しっかし、シオンの寝顔って初めて見たな。なんか可愛い…。
って、何を考えてんだ俺は!シオンのことが好きなんじゃあるまいし…。
ん?好きじゃ…え?俺…。
「ん…?あ、おはようカオル」
「うわぁ!おおおおおはようシオン!」
うわ、びっくりした!すげぇタイミングで起きてきやがった。
「どうしたの、カオル?何慌ててるの?」
「べべべ別に!」
「そろそろ時間かな。僕が見張りにつくから寝てていいよ」
「あ、ああ…」
そうか、俺はシオンのこと、好きなんだな。この気持ちは、胸にしまっておこう。
そんなこんなで眠ったら、あっという間に朝になった。