「防具屋?」

「うん、街外れにあるんだ。冒険者ならそこできちんと装備を整えた方がいいって言われた」

「なるほどな。じゃあ、とりあえず明日はその防具屋に行ってみるか」

「賛成!」

そんなこんなで、次の日。

シオンの案内で、防具屋に無事辿り着いたんだけど…。

マジで街外れにあるな。こんな場所より、もっと目立つ場所に店作ればよかったのに。

「すいませーん…」

「誰かいねぇのかー?」

入ってみたはいいけど、人の気配がしねぇな。本当に営業してんのか、ここ?

「おーう、ちょっと待っててくれー」

お、返事が来た。

…と思ったら、店の奥から小柄なじいさんが出てきた。本当にコイツが防具屋の店員か?っていうくらい華奢な体してる。

「おや、君らはもしかして、フィーノスを討伐してくれた勇者達かの?」

「そんな…勇者だなんて、大袈裟ですよー」

「勇者か…いい響きだな」

「え?」

「ん?」

うーん…どうやら俺とシオンは価値観がちょっと違うらしい。

ま、それは置いといて。

「ところでじいさん、俺達、ドラゴンと戦わねーといけねぇから、防具が欲しいんだけど…」

「分かっておる。君らの噂はもう聞いておるから、防具もちゃんと用意してあるぞ」

マジか。やりぃ!

「ちょっとワシについてきてくれんかの」

という訳で、じいさんについてって店の中へ。

…うおおおおおお!

すげぇ!鎧とかいろいろ沢山置いてある!しかも見た目もカッコイイ!

「シオン、見て見て!めっちゃカッコイイ防具が沢山ある!」

「カオル…気持ちは分かるけどはしゃぎすぎ」

怒られた。

「シオンといったかの、そこの坊っちゃんにはこれがぴったりじゃろう」

「わぁ…すごい!ありがとうございます!」

うわぁ、シオン、いいなぁ。なんかのごつい皮で作ったベストに、金属製のアーム。脚の装備も金属製だ。カッコイイ!

「そこの嬢ちゃん…カオルといったかの?この装備がぴったりじゃろう」

「おおおおお!すげぇ!」

頭以外の全身が金属製のカッコイイ鎧に覆われてるのに、全然キツくも重くもない。これなら多少の攻撃で怪我することもねぇな。

「それは街を救ってくれたお礼じゃ。これからの冒険に役立てるといい」

「え、じゃあ金はいいのか?」

「あぁ。その代わりに、無事にドラゴンを倒して帰って来るのじゃぞ」

「おう!」

「はい!」