「そうと決まれば、早速ドラゴンの情報収集だ!」

「うん!…あ、お姉さん」

「はい?」

「娘さんは必ず助けます。だから僕達を信じて、待っていてください」

「娘さんのことは俺達に任せてくれ。泥船に乗ったつもりで待っててくれよな!」

「カオル…泥船じゃなくて、大船でしょ?」

あ、間違えた。泥船じゃあすぐ沈んじまうわ。なのに泥船に乗ったつもりでって…(笑)。

「ま、とにかく、俺達を信じて待っててくれ!」

「娘を…助けてくださるんですか…?あ、ありがとうございます!本当に…」

俺達は女の人と別れて、それぞれ情報を集めることにした。

久しぶりの単独行動だな。街の中でもずっとシオンと一緒にいたもんな。なんか、寂し…。

って、何考えてんだ俺!?早いとこドラゴンの情報をゲットしねぇと娘さんが喰われちまう…!

「おーい、おっちゃん!」

久々に武器屋に来たな。おっちゃん、いるかな…?

「おう、誰かと思ったら、村を救った若いのじゃねぇか!久しぶりだな!街の噂でお前達のことは聞いてるぜ!」

おぉ、いたいた。

「なら良かった。単直に聞くけどさ、おっちゃん、ドラゴンのこと知らねぇか?」

「あぁ、トール山のドラゴンのことか?もちろん知ってるぜ」

「トール山?」

「そうさ。あそこのてっぺんにドラゴンが住んでて、たまに山を降りちゃあフィーノスを喰ってるって噂だ」

「そうか…。そのドラゴンが、女の子をさらったんだ!」

「あぁ、サラの娘さんのアルカちゃんのことか。俺も聞いたけど、さすがにもう手遅れなんじゃねぇかって思…」

「そんなの行ってみなきゃ分かんねぇだろ!俺達がアルカちゃんを助けるんだ!」

「…はぁ。まったく、若い奴ってのは威勢がいいな。ここで止めても、お前さんは行くだろうよ。トール山は北の森を抜けて東に行ったところにある。気をつけな」

「ありがとな、おっちゃん!」

よし、これでドラゴンの住処が分かった。シオンに合流して、ちゃちゃっと行って倒しに行くぜ!

…んで、夕方になって、俺達はレイド城の中の部屋で、今日聞いた情報を報告し合った。

「トール山に住んでるんだ…いい情報をつかんだね、カオル」

「あぁ。お前は、どんな情報をゲットしたんだ?」

「ドラゴンに立ち向かうのに、この格好じゃあ無防備すぎる。だから、防具屋のことを聞いてきたんだ」