…うおっ!?
『シャアーッ!』
『キシャアーッ!』
『グ…ェッ…』
なんだなんだ?あいつら自滅合戦してるぞ!?
…あ!ラビリスの死骸の取り合いをしてるんだ!なるほどな。
親玉らしき奴はここにいねぇな…奥の方にいるのか?
奥に行ってみるか…。
…カラン。
『クエ?』
あっ、ヤバい!足元の死骸…骨に足が当たって気付かれた!
逃げろ!とりあえず、一旦入り口に…。
スタッ。
『グルル…』
…ヤバい。先回りされた。これじゃ入り口に戻れない。
あっという間に、俺の周りはフィーノスに固められちまった。多勢に無勢だ。勝ち目はない。
そうだ!閃光手榴弾を…。
『シャアーッ!』
「あっ!?」
くそっ、フィーノスの攻撃のせいで落としちまった。ヤバい、喰われる…!
『グアァーッ!』
終わりだ…。
キイィーン!
『ギャアッ!』
!?
「大丈夫、カオル!?」
「シオン!?お前、いつの間に入ってきたんだ!?」
「今さっき。やっぱり、女の子を独りでモンスターの群れに立ち向かわせちゃって、心配だったからさ」
「シオン…助かったぜ!ありがとな!」
「うん!それより、早く片付けよう!」
「おう!」
ザンッ!
ドシュッ!
ドッ!
『クエェ…ッ』
『ガアァ…ッ』
『ギャア…ッ』
シオンの閃光手榴弾のおかげで動きが止まってるから、難なくフィーノスを倒していけた。
「これで最後だ!」
ザンッ!
シュウゥ…。
「よっしゃー!」
「やったぁ!」
これで、住処にいた奴らは全部倒したぜ!
「ふぅ…ありがとな、シオン」
「…?何が?」
「だから、途中で助けに来てくれて」
「お礼なんていらないよ…だって僕ら、仲間じゃないか」
「…そうだな!」
これにて一件落着、っと。
「これで街にフィーノスが襲いに来ることは無くなったな」
「うん…でも、うーん…」
「どうした、シオン?」
「いや、なんか納得いかないんだ…本当にフィーノスはこれだけなのかなって…親玉もいなかったし…」
「確かにそうだけど…って、危ない、シオン!」
ガキィン!
「カオル!?大丈夫!?」
「あぁ…なんとか…」
あっっぶねー!シオンが斬り裂かれるとこだったぜ!ガードが間に合って良かった!
コイツは…。