そんな会話をしながら、俺達は王様達の前に行った。
「この度は、シリアを助けてくださって、本当にありがとうございます」
女王様が言った。
「いえいえ、お礼なんていいっすよ。俺達は当然の事をしたまでですから」
「でも、カオルはシリアさんをモンスターからかばってみせたでしょ?」
「シオンさんの言う通りです。カオルさんがいなければ、私は今頃この世に居なかったでしょう」
「シオン…シリアちゃん…」
なんか照れるな、こういうの。人の役に立てたっていうのが、とにかく嬉しい。
「ところで、あなた方はこのレイドタウンを守る為に集められた冒険者の一人ですかな?」
王様が言った。
「え?あぁ、はい」
「それならば、シリアを助けてくださったお礼も兼ねて、このレイド城の一室を活動の拠点とするのはいかがですかな?」
「えっ、いいんですか!?」
「ええ、もちろんですとも、シオン殿。後で城の兵士に部屋を案内させますので、そこでお休みになって、旅の支度を整えるとよいでしょう。あなた方がいつでもこの城に入れるように、城の者にも言っておきますぞ」
「ありがとうございます!」
「おぉ、ありがとな、王様!」
よっしゃ!これで冒険の拠点ができた。これでゲームがまた進んだぜ!
「それじゃ、早速部屋に案内させましょうかな。それから、部屋にある宝箱の中身は自由に使って結構ですぞ」
「はい!」
俺達は、兵士さんの案内で部屋に連れて行かれた。てか部屋までが遠すぎるよこの城。デカすぎるよこの城。
しかも、部屋まででけぇぇぇ!!どんだけ広いんだよ!?俺達二人だけじゃもったいないくらいだぜ。もう広いのなんのって。
「あ、カオル、宝箱だよ!早速開けてみようよ!」
「そうだな。…うおおお!?」
「わあっ!」
宝箱の中には、10000Gが入っていた。王様、太っ腹!
とりあえず、5000Gずつに分けてそれぞれ持つことにした。
「で、どうする?これから」
「そうだね…街を守る為に呼ばれた訳だから、とりあえず街を襲うモンスター達の拠点を目指すのはどうかな?」
「それだ!よし、早速明日から情報収集だ!ちゃちゃっと片付けて、ゲームクリアを目指そうぜ、シオン!」
「うん!」