□ □ □
ぱりん。
床にガラスの破片が飛び散る。
「・・・・・・・・・今、なんて?」
カイルは、長く伸びた金髪を垂らして、俯いた。
「なんて言った?・・・・・カイル、」
シーザがその肩を揺する。
カイルは力なく、動揺しているシーザを見上げた。
「・・・・・ごめんね、シーザ。ごめん。本当に。でも、本当だから・・・・」
「カイル、嘘だろ?!」
シーザの問いには何も答えず、そっとシーザの手を離すカイル。
固まったままのシーザを残して、カイルは立ち上がった。
床に落ちたままのガラスを踏み、血が滲む。
それでも表情は崩さなかった。
「・・・・私、決めたんだ。アキにも言うって。
ねぇ、許してくれるとおもう?」
今度は、シーザが答えなかった。
カイルは動かないシーザを見下ろして、部屋を去ろうとする。
「・・・・・・・カイル、・・・・・・」
その声に少し振り向き、カイルは笑った。
そして、そのまま部屋を後にした。