「だから、知らないか。お前は笑っているが、真面目な話だ」


今にもシーザに斬りかかりそうな勢いで、アキは問い詰める。


「真面目な話、ねぇ・・・・・・」


くく、と笑いを堪えながら、シーザは顔を上げる。


「また、死神船のお前が、“女神”に何の用で?」


アキはシーザを尻目に、ベッドの横に置いてある剣を手に取る。

鞘から、少しも錆びていない剣を抜く。


きらりと銀が光った。



「殺すんだ」


アキは剣をしまった。

シーザは間抜けた顔になる。


「・・・・・・殺す?」

「まぁいい。知らないのなら。出て行け」


アキはベッドに横になると、追い返すようにシーザを部屋から出て行かせた。


部屋に、沈黙が戻った。