「まぁ、俺が答えられる範囲なら答えるぜ」
「当たり前だろろう」
シーザの言葉を冷たく跳ね返すと、アキは続けた。
「“女神”を知っているか」
がばり、と起き上がるシーザ。
そして、勢い良くアキの顔を見た。
「“女神”?」
「そうだ、最近市場がその噂でいっぱいだそうだ。リゲが言っていたな」
シーザは動かないままだった。
「はっ、はははは」
「おい、何がおかしい」
「いや、おかしいもなにも、だってアキの口から“女神”・・・・って」
シーザはうずくまり、笑いを堪えながらちらりとアキを見る。
アキの憤慨した表情がシーザを睨み付ける。
「あー怖い怖い。だってよ?死神船のお前が、全く正反対の“女神”を口にするなんて」
「まぁいい。知らないなら、忘れろ」
「で?“女神”がどうしたって?」
「探してるんだ」
ひぃひぃとまた爆笑しはじめるシーザ。
その頭を人蹴りして、アキは少し声を荒らげ、言った。
「本気だ。笑い事じゃないぞ」
「知ってますって、てめぇは嘘がつけるほど世渡り上手じゃねぇってことは」
脳天に踵が落とされる。