「ううん、カッコ悪くなんかないよ?走ってるとこすごいって思ったもん」

真剣な眼差しで、いっぱい汗かいて、力強くて、カッコ良かった。

「それに、私の方がもっとカッコ悪い」

湿布を貼った足首を指差した。

「恥ずかしすぎて死んじゃいそうだった」

「いや、死なれたら困る」

即座に柚木君が突っ込む。

そしてヘヘッと笑ってくれた。

柚木君が私の目の前で笑ってる。

そう思うだけで、ドクンドクン胸が騒がしくなる。

「足、大丈夫?」

「うん。湿布貼ったら楽になった。まだ痛むけど普通には歩けるよ」

「そっか。良かった」

柚木君とこんな風に自然に話せるなんて、夢みたいだ。