「何?何か今の言い方トゲない?」

ナカちゃんが聞く。

「別に。ただ人の好意踏みにじるな、みたいな?」

ツキンッ。

北川君の言葉が胸に刺さる。

「あーこれ遥斗のタオルだ。どーしよー?まいっか、このまま置いておいて多少誰かに踏まれても仕方ないかー。仕方ないな、ナカ」

「う?う、うん」

北川君に、肩に手を回されたナカちゃんは半ば拉致される状態で私から離れてく。

「よし。仕方ないからここに置きっぱなしにしておこう!そうしよう!じゃーねー工藤ちゃん」

ぽつんと取り残された、私……とタオル。

私にきっかけくれたのかな。

北川君が置いて行ったタオルを拾うと、私は片足をひきずりながらグラウンドに向かった。

サッカー部も終わったらしく、部員が片付けをしている。

そんな中、1人走る柚木君の姿があった。

「柚木君……」