「ねー、誰この子?まさか彼女じゃないよね?」

2年の先輩だ。

先輩は隣の私を見るなり顔を曇らせた。

「マネジャー、部活、後から行きます。ちょっとこの子送ってきたいので」

「なんで?1人で帰れないの?」

「足くじいちゃってて」

「ふうぅ〜ん」

明らかに不服そうな先輩は、私を吟味するかのように下から上へとゆっくり見る。

怖い。

「じゃ、後で」

そんな先輩を気にも留めず、柚木君は上靴を履き替えた。

その瞬間

「いっ」

先輩は柚木君に気づかれないように、私のくじいた足をぐいっとふみつける。