「足……危ないし。送るよ」

柚木君が私の腕をつかんだまま言う。

「……え……?」

何が起こったのかわからずに固まったままいると、柚木君の向こう側でジェスチャーしてる2人を見つけた。

ナカちゃんは両手を上げて頭の上で大きな丸を作っていて。

北川君は……えぇと、相手の顔を両手で捕まえて目を閉じて、唇尖らせて、ブッチュー……

「って!無理!何?何それ?」

私は慌てて北川君に向かって大きく首を振った。

「無理?」

目の前の柚木君が残念そうに私に聞く?

「え?あ、そうじゃなくて」

柚木君の向こう側で、ナカちゃんが北川君の頭をベシッと叩いていた。

「えと……ゆ、柚木君、部活は?」

確か陸上部だったはず。