「誰?」

ナオちゃんが顔を曇らせる。

と同時に、来客を知らせるインターホンが部屋まで鳴り響いてきた。

「はーい」

アキちゃんが部屋を出て、階段をかけ降りる。

私達は顔を見合わせ廊下に出ると、階段の上から玄関を見下ろした。

そこには、なぜか佐々木君が一人。

「なんで佐々木?」

ナカちゃんが怪訝な顔をする。

「私が呼んだの。入って入ってー」

佐々木君が階段を上り部屋に入る。

なんで?なんで佐々木??と、佐々木君が何度もナカちゃんに問い詰められていたとき、またインターホンが鳴った。

ソワソワと落ち着かないアキちゃんは「やっと来た」と嬉しそうに階段をかけ下りていく。

同時にまた私達も部屋を出て上から玄関を覗いた。

「は?聞いてないよ?来るなら来るってなんで言わないの?」

佐々木君の次の来客の顔を見て、一番先に声を上げたのはナカちゃんだった。

「俺も今、突然連れてこられただけだし」

「あ、ごめんごめん。みんなには内緒だったの。サプライズと思って。

ほら、前に入試終わったらさ、打ち上げしようって言ってたでしょ?それで二人で計画立てて」

北川君の後ろから顔を覗かせたアキちゃんの彼氏が、アキちゃんと目配せしてニヤッとする。

でも、聞いてないよ?

一番先に声をあげたくなったのは、本当は私の方だった。

北川君に続いて入って来たのは、アキちゃんの彼氏と、そして。




柚木君だったから。