「来週だね」

ナカちゃんが私の髪を触りながら言った。

「修学旅行?」

「うん」

肩まで切り揃えていた私の髪は、背中まで伸びた。

「告白しないの?」

私はニヤっとして、ナカちゃんに聞いてみる。

「誰に?」

「意地っ張り」

「お互いさま」

ぷぷっ。

私達は同時に窓際で大笑いした。

あれから柚木君と最後の約束を、私は守ってる。

ちゃんと食べて、学校も来てる。

そしたら強くなれたような気がするんだ。

だって、こんな風に笑えるんだもん。

「遥斗、ボール!!」

突然、グラウンドから北川君の叫び声が聞こえてきた。