「脩君。私、柚木君と別れたよ」

「え?」

「これで満足?」

「楓ちゃん……」

「満足?」

私は脩君を睨みつけながら涙を流した。

「でも別れても別れてなくても、私の気持ちは変わらないよ。柚木君が私の側にいなくたって、柚木君しか好きにはならない」

私は急いで靴を履き替えると、駆け出した。

「楓ちゃん、それ本当?」

そんな私の腕をつかみ、ひき止める脩君。

「本当」

「何で?」