「え?山崎先生が?」

「うん。あの中にまずい写真があったんでしょ?」

「う……ん」

「で、『訴えたければ訴えろ。俺は逃げも隠れもしない。けど、携帯持ってくるのは校則違反だからな。そこんとこよろしく』って、かっこつけてさ。なんかみんな拍子抜けだよ」

山崎先生が……。

「みんな楓花の味方だよ?山崎も休んでる楓花の事気にしてたし、柚木の様子がおかしいから周りに聞き込みしてたらしいんだよね。で、柚木の行動見て、柚木を信じたんじゃない?だから、もう心配する事なんか何もないよ」

ナカちゃんは、私の頭をポンポンとなでた。

柚木君が。

先生が。

ただ怯えて隠れてた私の為にいっぱい動いていてくれたなんて。

「学校、行ける?」

ナカちゃんが聞く。

私は少し考えてから、コクンと頷いた。

守ってくれた柚木君の為にも、ピアノを弾かなくちゃ。