脩君は柚木君の胸倉を掴むと、

「本気で好きなら、ちゃんと守れよ。側にいても守れないなら、彼氏の資格ないんじゃね?」

今にも殴りかかりそうな勢いで言う。

「なんとか言えよ、こら」

柚木君は何も言わず、悲しい顔をして私を見つめてる。

柚木君が悪いわけじゃないのに。

私がこんな単純なワナに引っ掛かってしまうような大バカだから。

「俺だったらこんな思い絶対させねーんだよ」

胸ぐらを掴む手に力が入った。

「や……めて。脩君」

私は泣きながら力を振り絞って声を出した。

脩君は

「なんで?」

って、私を見るけど。

助けてくれたのは脩君だけど。

脩君のそばにいればマネージャーが嫌がらせしてくる事はないんだろうけど。

でも

「やめて。脩君」

私には柚木君しかいないんだもん。