「新ー」

柚木君が窓を開けて声をかける。

「おお~早いね、二人とも」

「さっき、ナカにお前が喜んでたって言っといた」

「……おぉ」

アキちゃんが柚木君の声に反応して、振り返り北川君を見つけ、挨拶する

「あ、おはよー」

「おぉ」

おぉ、ばっかりの北川君。

なんとなくよそよそしく感じる二人を眺めながら考える。

「本当にあの二人付き合ってるの?」

私の質問に、柚木君は「さぁ?」と答えるだけだった。

ちらほらとやってきたクラスメートで、席がひとつずつ埋まっていく。

「何?密会?やらしー」

私達二人を見つけた男子達に、柚木君はいきなりコノヤローって引っ張られて行ってしまった。

「やめろーいてっ」

抵抗しながらも、なんだか楽しそうな柚木君。

「楓花~助けて」

もみくちゃにされながら、その隙間から顔を覗かせる。

「ぷっくくく」

「笑ってる場合じゃないから~」