なんだか、ちょっと感動してしまった。

そういう風に考えていてくれたんだなって。

好きだからどっちかがどっちかに合わせたり、我慢したり、そういうつきあい方じゃ、お互いの為にならないんだ。

「俺も、もし頭が伴えば、陸上強いとこ行きたいんだけどね、本当は」

「陸上?それなら、K高が1番強いよね??」

柚木君も、K高志望なら──

「あームリムリ。あんな高いとこ狙えないわ、俺。行けたとしてもM高がやっとかな。へへ」

「そっ……かぁ」

「んー?なんかへこんだ?」

「ううん!でも、まだわかんないよねお互い。これから成績すごい上がるかもしれないし、頑張っても下がっちゃうことだってあるだろうし」

「うん」

まだ、2年だし。

夏だし。

「あ、北川君」

窓の外を見ると、登校中の北川君の姿が視界に入った。

そのすぐ隣をアキちゃんが無言で通り抜ける。

「あれ?一緒に来たわけじゃないのかな」

「さぁ?」