「俺に合わせるな。俺が合わせるから!」

「……?」

「待ってろよ。こっから本気出すから。で、楓花がレベル落とす必要のない高校に、俺も行く!」

そしたら高め合えるし、同じ高校だろって、二カッと笑う柚木君。

「じゃあ、柚木君がもっと高いレベル狙ったら、私も頑張る!」

「いや、それはないから!安心して」

「ふふふ」

まだ、ずっと先のことのような気がして、受験とか実感わかないけど。

柚木君と同じ高校に通うことができたら、楽しいだろうな。

「楓花ってさ、結構周りのために自分のやりたいこととか我慢するとこあるじゃん。俺は、それが心配なんだよね」

「心配?」

「俺のせいで楓花がやりたいこと我慢したり、諦めたり、レベル落としたり、そういうのはしてほしくない。

俺と出会わなければ、楓花はもっと上を目指せたんじゃないかとか、そういう風に考えたくないんだ。

そういう楓花の優しいとこが好きなんだけど、俺に対しては絶対遠慮とか我慢とかしないこと!」

「…はい」

「わかった?」

「うん」