「工藤ちゃん、どう?女になった感想は?」

結局無理矢理部屋に上がり込んで来た北川君は、ノートを丸めてマイクのようにして、私の口元に差し出す。

「なんもしてないから!うるさいよ新!」

柚木君がマイク代りのノートを奪ってパコンと北川君の頭を叩く。

「って言うか、帰れよ」

「え?邪魔?俺、邪魔?あ、続きしたい??」

「だから、ちがうって!!」

「違うって何がぁ?勉強の続きしたくないのぉ?」

「あ、そ、そそそそーだよ」

完全に北川君のペースに巻き込まれてる柚木君は、言わなくても「何かしました」みたいな顔になってる。

そして、多分私も。

そんな私達を眺めて

「青春だねぇ」

って、少しだけ寂しそうに笑う北川君。