「そーだよ。ナカにも、先生にも、新にも」

カランッ

柚木君の腕がテーブルに触れて、麦茶の入ったグラスの氷が音を立てる。

「嫉妬してばっかりだよ」って見つめる間近の柚木君。今度は近づくタイミングに合わせて、そっと瞼を閉じた。

触れるか触れないかくらいの、2度目のキス──








「はーるーとー!!」








と、その時、急に窓の外から北川君の陽気な声が聞こえた。

慌てて離れて真っ赤な顔を見合わせる私達。

「なんだよ、あいつ」

そして、柚木君は少し膨れて窓を開ける。

「おぉ!遥斗!ちょっと顔貸して」

「無理!」

「なんでぇ?」

「楓花と勉強中」

「お?あぁ、そう。へぇ。あんなことやこんなことを、ねぇ~」

「ち、ちがうって!」

「冗談だろ。むきになるなよ。余計あやしいじゃん」

「……」

「──え?マジで??」

「ち、ちがうって!!」

私は急に現実に戻された気がして、恥ずかしさと照れくささで両手で顔を隠していた。