力尽きたミーナはうつろな目をしたままヴィルグロースを見つめた。


『俺の前から…俺の前から消えてなくなれ!!』


ヴィルグロースは自らの長い爪で、ミーナの心臓を突き刺そうとした。


その瞬間、ミーナはうつろだった目を大きく見開いた。


そのミーナの目の先には優しく微笑んでいるラッセルが立っていた。


ミーナの心臓を貫こうとしたヴィルグロースの長い爪は、ラッセルの心臓を貫いていた。


ラッセルはミーナをかばうために、ミーナとヴィルグロースの間に割って入ったのだった。


『何…!?』


ヴィルグロースは驚きをあらわにし、そしてヴィルグロースの脳裏にあの時の光景が浮かんだ。