『胸が…』


ミーナはしんどそうに胸を押さえ、冷や汗が額から滴り落ちた。


『くっ…あーっ!!』


ミーナが空に向かって叫ぶと、ミーナの身体からも黒い煙りみたいなものが立ち上った。


『ハァ…ハァ…』


ミーナの目は赤くなり、鋭く歯が尖った。


『サラ…』


ヴィルグロースはヴァンパイアと化したミーナを懐かしそうに見つめた。


『ハァ…ハァ…』


ミーナは息を切らしたまま地面に座り込んでいた。


『サラ…』


ヴィルグロースはミーナにゆっくりと歩み寄った。


『サラ…僕に会いに来てくれたんだね…』


ミーナに歩み寄ったヴィルグロースの姿は、またヒューマンのウィルへと変わっていた。