ヴィルグロースは情緒不安定だった。
そしてヴィルグロースは暗くなった空を見上げた。
ミーナもヴィルグロースにつられて空に目をやった。
すると、夜空には満月が顔を出していた。
ただ、この夜に出ていた満月は黄金色ではなく真紅に染まった満月だった。
『つ、月が…赤い…』
ミーナは月を見て驚いた。
『うおぉぉぉ!!』
赤い月の光がヴィルグロースを照らし、ヴィルグロースは月に向かって叫んだ。
するとまたヴィルグロースの身体から黒い煙りみたいなものが空に向かって立ち上った。
『ヴィルグロース…うっ!!』
呟いたミーナの心臓が突然高鳴った。