『ただいま、ミーナ様』


ジャックは笑顔を見せた。


『私は…私は…』


ミーナとジャックが笑顔を交わしている時、瓦礫の中から悍ましい声が聞こえた。


『私はヴァンパイアの王なんだー!!』


凄い叫びと同時に瓦礫が宙に舞い上がった。


『ヴィルグロース!!』


ジャックはミーナを守るように剣を構えた。


瓦礫の中から立ち上がったヴィルグロースは黒いオーラに包まれ、先程ジャックが突き刺した剣の傷がみるみるうちに回復して行った。


『私はヴァンパイアの王ヴィルグロース。ヒューマンごときに…やられるわけがない。いや、ヒューマンを根絶やしにし、サラの仇をうつまでやられる訳には行かないのだ!!』


ヴィルグロースは殺気に満ち溢れた目でジャックを睨んだ。