『ラッセルは休んでて。あたしがクロードの手助けに行くから』


ミーナはそう言ってラッセルを床に座らせた。


『ダメです、ミーナ様。ミーナ様を危ない目にあわせられません』


ラッセルはそう言って、ミーナの腕を掴んだ。


『大丈夫だから…あたしは大丈夫だから。ヴィルグロースを止められるのはきっとあたし一人…絶対ヴィルグロースを止めてみせるから』


ミーナはラッセルの手を振りほどき、地下室を出て颯爽と階段を上がっていった。


『ミーナ様…』


ラッセルは無力な自分を悔やみながら、去って行くミーナの背中をただ見届けたのだった。