『た、助けて…くれ…』


バゼルはただそう、何度もうなだれているだけだった。


『昔自分が斬ったミーナ様に、命を助けられるなんて哀れな奴だな』


ラッセルはうなだれているバゼルを見ながらそう呟いた。


『もう、バゼルはこんなだし…このトライバスタンはもう大丈夫です』


ミーナは村民たちに笑顔で告げた。


『バゼルの手下たちはみんな城門で倒れておったが…あの大人数を皆さんが倒したのかね?』


ズブはふと気になっていた事を尋ねた。


『えっ…えっと…そ、そうだ』


ラッセルはヴァンパイアたちの事を隠すために、ワザとそう言って頷いた。