『えっ…あの老人は…』


ラッセルはその老人に見覚えがあった。


『ヒナタの村のズブさん…』


ミーナはその老人に気付いた。


『バゼル、俺たちの国を返せ!!』


ズブと同じように頭にお鍋だったり、ヘルメットだったりを被ったり、ハチマキを巻いたりバンダナを巻いたりし、手にはスコップを持っていたり、つるはしを持っていたり、ガラス瓶を持っているヒナタの村の村民たちが次々と叫んだ。


『く…た、助けてくれ…』


血まみれで倒れているバゼルは、意識を取り戻していたが、ヴァンパイアの恐怖にすっかり怯えていた。


『こいつまだ生きてやがったのか…渋といやつだ』


ラッセルはバゼルを見て呆れた。