『そんな事があったのね。そのヴィルグロースの手下の剣士がジャックなのね…』


ハートはクロードの説明を聞き、全てを理解した。


『ジャックのバカヤロー!!ヴィルグロースなんかに心を支配されやがって!!くそっ!!』


ラッセルは悔しそうに壁をぶん殴った。


『ミーナ様、大丈夫ですよ。きっと、きっとジャックを助ける方法が何かあるハズですから。きっと、ジャックは助けられますから』


ハートは優しくミーナに言葉を投げかけた。


『うん…』


そんなミーナは深くうなづいた。


そんな所へ、ドタバタとたくさんの足音がせわしなく聞こえて来た。


『バ、バゼル覚悟じゃ!!』


頭にお鍋を被り、手には棒キレを持つ一人の老人が力強く叫んだ。