『ありがとう。バダックさん、他の二人は?』
ジンタがそう尋ねると、バダックは首を横にふった。
『相変わらずだ。余程ショックだったのかも知れんな、自分たちが慕って来た大切な王女がヴァンパイアだったって事が…』
バダックはそう言って、静かに眠るミーナを見つめた。
『やっぱり…、俺だってショックだもん。ミーナちゃんがヴァンパイアだったなんて…。俺は気絶してたから、悍ましい恐怖に満ちたヴァンパイアの姿に変わったミーナちゃんを実際見てないから、まだ実感は湧かないけどさ…でも…』
ジンタはそう言ってうつむいた。
『まさか、この娘がヴァンパイアだとはな…』
バダックも信じられない様子だった。