『サラ!?…どうして…どうしてサラの傷は回復しないんだ…?』
いつものようにサラの傷が治らないのを見てウィルは戸惑いを浮かべた。
『ウィルを回復させるのに必死で…全ての力を使い果たしちゃったんだ…だから…』
サラは優しい笑顔で告げた。
『俺を助けるために…サラ…』
ウィルは弱りきった血だらけのサラを抱きしめた。
『ねぇ、ウィル。お願いがあるの…くら…桜が見たい…』
ウィルの胸に顔を埋めるサラが言った。
『桜が!?』
ウィルはサラをお姫様抱っこで抱え込み、花畑に咲く桜の木へと足を運んだ。
『あ、桜の香りがする…』
桜の木にもたれかかるサラが言った。