バゼルがサラに歩み寄っている隙に、バゼルたちにバレないようにウィルは側の尖った岩でロープを斬った。


『放して…ウィルを。お願い…ウィルを…お願い…』


サラは涙を零しながら必死に頼んだ。


『ちっ…うっせんだよ!!』


イライラを募らせたバゼルは、自らの剣でサラを勢いよく斬りさこうとした。


その瞬間、サラとバゼルの間にウィルが割り込み、バゼルの剣はウィルを斬りさいた。


『な、何!?』


サラをかばったウィルを見てバゼルは驚いた。


斬りさかれたウィルからは血が大量に噴き出し、ウィルは地面に倒れた。


『ウィ、ウィル!!!!!』


サラは地面に倒れたウィルの頭を起こし、上半身を抱き抱えた。