『どうした、ヴァンパイア。もう終わりか?』


バゼルは嘲笑うかのように言った。


『ウィ、ウィルを放して…あなたたちの目的はあたしでしょ?だから…ウィルを放して…お願い…お願いだから…』


サラは震える声で告げながら、よろめきながら立ち上がった。


『いやー、これが愛か…愛って素晴らしいな。化け物のくせに、立派な愛を持ってるんだな。でも、何かその愛がムカつくんだよな、化け物のくせに。あーイライラするよなー』


バゼルは、サラのウィルへの純粋な愛にイライラを募らせていた。


『ウィルを放して…お願い…』


サラはバゼルに深々と頭を下げ頼んだ。


『人を恐怖に陥れるヴァンパイアのくせに、情けない姿だよな』


バゼルはサラに歩み寄った。