『ウィ、ウィル!!』


サラはロープで手足を縛られているウィルを確認し、歩み寄ろうとした。


『待ちな、ヴァンパイア!!』


バゼルはそう言って、剣をウィルに突き付けた。


『何をする気?』


サラはバゼルを睨んで尋ねた。


『別に何もしないさ…お前が何もしなければな、フフフ』


バゼルはそう言って不敵な笑みを浮かべた。


『おい、ヴァンパイア。お前はこの男を愛しているのか?』


バゼルはウィルの髪を掴み、ウィルの頭を持ち上げてサラに尋ねた。


『ええ。愛しているわ』


サラは力強く答えた。


『そうか…化け物でも誰かを愛する事ってあるんだな』


バゼルが笑ってそう言うと、周りのバゼルの手下たちも笑った。