「おーい。」
マミの顔が、目の前にあった。
「おぉ!!びっくりするじゃん。」
「こんなところで寝ている方が悪いです。」
マミは菜苗の隣に寝そべった。
「ここで会うの久しぶりだねー。」
「仕事は?ってか、なんで急に?」
「えっと…仕事は今、有休消化中ね。だから、暇出来たし、なんか来てみようかなって。」
「言ってよ。いつも先にメールくれるのに。」
ヒロは怒ったように言った。
「ごめんね。マミはどうなの?」
「私は相変わらずだよ。」
風が、2人の間を抜けて行った。
「ここに来ると思い出すこと、たくさんあるねー。良いなぁと思う反面、私のいるところはここじゃないと思いたくなる。」
マミは立ち上がって、伸びをした。
「ねぇ…会わないの?」
「どっちに?」
「どっちも!」
「んー…考え中!」
菜苗は横になったまま伸びをする。 
「これからどうする?」
「とりあえずこれからどうするか考えるかな。なんも考えないで来ちゃったから。」
「泊まるところは?」
「決めてない。」
マミは目を丸くした。
「泊まっていきなよ。」
「泊めてくれる?」
「当たり前じゃん。」
「ごめん、そのつもりだった。」
「始めから言えし!!」
2人で笑って坂を下った