「さーわっ!はい!ハッピーバレンタインっ!!」
「わぁ…っ!!うれしい!ありがとう、結希ちゃん!!」
「ふふ、喜んでもらえてよかった…」
「えへへ…っ♪すっごくうれしいよ?あ、私も、結希ちゃんにチョコ渡さなきゃ!」
「あ…くれるの…?」
「もちろん!頑張って作ったんだよ?結希ちゃんのお口に合うといいんだけど…」
「うれしい!ありがとう、早和っ」
「「…お前ら、なんかラブラブ過ぎねぇ…?」」
「「ええ~?そう?」」
ものすごく呆れた表情をしている男子組と、そんなのお構いなしな女子組。
そんなおかしな構図を生み出している今日が。
2月14日。
バレンタインデー当日です。
もちろん早和には朝一番にチョコを渡した。
実はずっとあこがれてたんだよね。
バレンタインに友達とチョコを交換することに。
今までは、そんなことをしてくれる友達なんていなかったから。
だから今までは、お父様とお母様と、家に何人かいる使用人にだけ手作りのチョコをあげていた。
だけど、今年は違う。
早和や明、そして渉がいる。
こんな風に、家族以外の誰かのためにチョコを作るのなんてはじめてだから、なんだか照れくさいけれど。
でも…くすぐったいような嬉しさが確かにあるのも事実だから。
「わ…!結希ちゃんのチョコレート、すごい…!おいしそう…!!」
「あ…ありがとう//// 早和のもすごいよ?…ていうか、プロ並みでしょ。さすがね」
「そ、そんなことないよ~っ!でも、そう言ってくれて嬉しいっ」
今までは冷めた目でしか見ることしかできなかったこんなやりとりも、早和がいるってだけでとても心地よく感じる。